実はこの前号で「事件」がありました。読者投稿の写真コンテストに掲載された作品に対し、Twitterで「肖像権侵害ではないか」という疑念の声が上がったのです。撮影当事者らに事情聴取し、会社のコンプライアンス担当、弁護士と話し合いましたが、肖像権侵害とは言えないという結論に達しました。しかし、そこでわかったことは「市民意識の変化もあって肖像権意識に大きな変化が起きている」という事実でした。
そこで私は大きな決断をしました。一部の批判への回答として、「肖像権時代のスナップ撮影」特集を組む。当初予定していた特集を延期し、各編集者に制作を指示しました。私自身も肖像権の法的な解釈についての取材を進め、編集部員総出で制作。結果、実売率が80%超えという、事実上の完売状態まで売上を伸ばすことができました。
この特集がきっかけとなり、アサヒカメラは肖像権問題に取り組むようになり、その後の「写真の著作権」特集と相俟って、前年度比で売上がプラスに転じることになったのです。

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