アサヒカメラ編集長として制作した最終号の付録。木村伊兵衛写真賞の受賞者と作品を紹介する32ページの冊子です。
当時の木村伊兵衛写真賞の選考委員は写真家の石内都さん、鈴木理策さん、ホンマタカシさん、そして作家の平野啓一郎さん。アサヒカメラ編集部は賞選考の事務局でした。編集長は否が応でもこの論客たちと数日間にわたって本気で議論し、選考結果をまとめねばなりません。このプロセスを5年にわたって経験できたことは、作品理解の目を養えただけでなく、文化を育んでいくことの重大さを痛感できるものでした。
選考結果に関しては、それまで選考委員の評に任せるところがありましたが、私は編集者として自分自身の言葉で語るべきだと考え、論評に際しては自ら筆を執りました。こうした写真賞で評価される写真と、読者が撮りたい写真との乖離が進んでいたこともあり、撮影愛好家(読者)との結節点にならねばという思いが強くあったのが、その理由です。

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