年末に発売される1月号は例年、岩合光昭さんのネコ写真カレンダーが付録になるために「放っておいても売れる号」と業界内で言われていました。事実、2015年1月号で大幅な誌面刷新するまでは、付録と特集に関係性は皆無。私はそれに不満を覚えていました。「学べる写真誌、使えるカメラ誌」を編集方針にしていたので、誌面構成には一貫性が欲しいし、読者には一冊を通して特別な体験をしてほしいと思っていたのです。
読者体験としては(1)巻頭グラビアを見て「こんな写真を撮りたい」と思う→(2)写真家のインタビューを読んで撮影ノウハウと思考を学ぶ→(3)カメラやレンズの記事で最新機材を知る(買う)→(4)いい写真が撮れたらコンテストに応募する。こんな体験物語をページ構成の理想としていました。付録といえども特集と無関係では不自然。というわけで、ネコ写真カレンダーを1号前倒し、ネイチャー撮影大特集(12月号)の付録に変更しました。
また、この号では、従来型の動物・絶景写真だけでなく、最新の4K/6KフォトやHDR撮影を駆使した作品と技法を紹介。やはりこの時代だから撮れる写真を見せていく同時代性こそが、アサヒカメラの役割だと考えて掲載しました。

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